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ピコット便り Vol.138  野山は豊作!

                                            2003.秋

 水泳・体操・陸上・・・とスポーツの世界大会が続きました。スポーツ音痴の私ですが、世界大会のレベルとなりますと、やはり吸い寄せられるようにしてテレビ中継を見てしまいます。どうしてあんなに凄いんだろう!才能にも恵まれているだろうけれど、努力もするんだろうなあ・・・。頂点に上り詰めた人たちの素晴らしさ美しさにうっとりします。


 世界レベルの選手になれるかどうかは、才能や努力の他に、種目によっては早期教育を受けたかどうかも関係してくるかもしれません。テレビを見て、もしうちの子に才能があるのなら、早く気付いて伸ばしてあげるのが親のつとめと、そわそわしはじめた人もあるでしょうね。成人したら親と同じように畑を耕した時代とは違い、現代の子どもたちに掛けられる期待は多様です。


 絵本「ぼくだけのこと」は、エクボができて蚊にさされやすくて、逆立ちが得意で、町内で一人だけチャッピーに吼えられなくてと、「ぼくだけ・・・」を数えていく男の子のお話です。こんな子は世界に1人だけという、特別の「ぼくだけ・・・」を知っている子は幸せですね。作者の森絵都さんの、こちらは小説「カラフル」で、そこに出てくるのは「最悪の頭と容姿と家庭」を持つ高校生ですが、自分として生きられることに感謝出来る日を、作者はこの少年にも用意しています。


  小さい頃期待された子どもたちも、大多数は普通の大人になって、普通の毎日や普通の幸せを大切に暮らします。それでも輝いてはいたいし、「私だけ・・・」の何かも持っていたいと思いつつ。


 所で、わたしの「わたしだけのこと」ですが、本の端をちらりと見ただけでタイトルがわかることです。親しい人の後ろ姿がひと目見ただけでわかるように。これ、ちょっと自慢です!20年の本屋生活の成果がこれだけ、というのもどうかとは思いますけれど、とにかく。