“なにに見える?”の号 2018.9

 

 コンピューターグラフィックスが、画面上でモノを動かてみせる技術を向上させた昨今。地殻変動とか、人体とか恐竜とか、現実には目視できない物事を“体験”できるようになって、すごいと思います。一方で、絵本はどうでしょう?画面が動かないからこそ、ページからページへのその間を、自分の想像力で動かしていく、そこにCGにはない魅力を、わたしは感じます。

 今回ご紹介する絵本も、そういう見せ方を生かした作品たちです。そして勿論そういう世界が成立するのは、読み手の楽しむ力に依るところも大きいと思います。

 

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  まちにはいろんなかおがいて

 

 

佐々木マキ 文・絵
福音館
本体 ¥900.
初版2013/09 (とも発行1997.9)
横19.5cm×縦26.7.cm
対象:幼児から大人まで

 

 

 

 街の風景の中にいろんな顔があって、わたしたちに呼びかけているんだよ。いつも意表を突く表現で読者を喜ばせる佐々木マキさんが、この絵本では、街に隠れているいろんな<顔>を写真で見せてくれます。表紙には信号用の押しボタン。そういえば、マンホールも、足元でいろんな表情を見せている。おうちの窓も、パイプのネジも、通る人に“おーい”って呼びかけてくる・・・ように、確かに見えてきます。小さい人たちは大人よりも、<顔>を見出すのが上手かもしれませんね。街に出たら一緒に探してみてください。

 

 

まほうのコップ

 

 
藤田千枝
 原案 川島敏生 写真
長谷川摂子
 文
福音館
本体 ¥900.
初版 2012.9.25
    (ちいさなかがく2008.7発行)
横20.5cm×縦22.2cm
対象:3歳から

 

 

 

 水を入れた透明なコップを覗くと、おやおや。後ろに置いたイチゴがぐにゃーりと伸びちゃった(みたい)。きのこは何故かカエルになっちゃった(みたいだ)よ。縦縞入のコップだと、後ろに置いたきゅうりが薄切りにきれている(みたい)だけど、どうして? 何に見えるかは、見る人の想像力次第です。これも小さい人たちのお得意分野ですよね。もしも退屈な時間ができたらやってみてください。コップと身の回りのものだけでできますよ。あ、そうそう、まずこの絵本を見てからね。 

 

 

 

なつみはなんにでもなれる


 

ヨシタケシンスケ 文・絵
PHP研究所
本体 ¥1,000.
初版 2016.12.14
横16.8cm×縦16.7cm
対象:4歳から

 

 

 

 お休み前のくつろぎ時間に、なつみは楽しい遊びを思いつきました。なつみがポーズをして、それが何だかお母さんに当ててもらうのです。でもね、お母さんはひとつも当てることができません。そりゃあそうかもしれません。足を開いて寝転がって→洗濯バサミ、体にタオルを巻きつけて→おにぎり、っていう具合ですからね。これは相当な想像力を要します。そのうち問題の難易度は上がり、答えられないお母さんになつみはイラつき、楽しいはずの時間はだんだんと不穏になってきて・・・。この絵本をお子さまに読んであげる人は、当てっこゲームに付き合わされることを覚悟しましょう!(^^)

 

 

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