“おもしろ読物大特集 ”17 2017.7

 ああ、今年も感想文の夏休みが来てしまった・・・と、憂鬱に思っているお子さんがいらしたら、ぜひピコットに来ていただきたいと思います。読んだ本が面白かったら、その内容を誰かに伝えたり、読んでみませんかと勧めたくなるのは自然なこと。だから、ぴったりの本に出会えたら、もう感想文は8分方出来上がったようなものです。それを文章にするのには、ちょっとしたコツがあるんですけどね。
ここでご紹介する面白読み物が“憂鬱さん”にぴったりかどうかはわかりませんが、おすすめの作品はほかにもたくさんあります。ぴったり!を探しにおいでください。

 

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ふしぎな銀の木

      スリランカの昔話

 

シビル・ウェッタシンハ再話・絵 
松岡享子・市川雅子  
福音館書店 本体¥1,400.

対象:小学校低・中学年

 

 

 王様が夢で見た銀の木を、三人の王子が探すことになりました。分かれ道で、ジャングルへ向かう道を選んだ末の王子は、森の奥で出会った隠者に教えを請い、苦難の末たどり着いた洞窟で美しい乙女に出会います。その乙女に、「この洞窟に永遠に閉じ込められたくなければ、わたくしを殺しなさい」といわれた王子は、勇気を振り絞って・・・。
  この物語には後半、兄弟の諍いというもう一つの山があり、昔話独特の不思議に入り組んだお話になっています。このような複雑な構成と独特の世界観を楽しむためには、特に低学年では、自分で読むよりも読み聞かせて貰うのがいいかもしれません。読後に読み手からいくつか質問をして、感想が深まるよう応援してあげてください。




 

 

 

アルバートさんと

  赤ちゃんアザラシ

ジュディス・カー  
三原 泉 
徳間書店 本体¥1,400.
対象:小学校中学年

 

 

  長く続けたお店を手放し、時間を持て余すアルバートさんに、海辺の村の従兄弟から招待の手紙が届きます。一家に温かく迎えられたアルバートさんは、甥っ子と一緒に、アザラシの子育てを見守るのを楽しみに過ごしていました。ところがそのアザラシの赤ちゃんが、お母さんを亡くしてしまいまったのです。弱っていく赤ちゃんを見て、アルバートさんは赤ちゃんを助けようと決心します。そして街に連れ帰り、工夫して育てながらアザラシの生きて行ける方法を模索するのです。
 これは、作者のお父さんの体験を元に書かれたとのこと。愉快な作品の多いカーですが、このお話では、登場人物たちを通して、生き物の命を守るとはどういうことなのかを丁寧に描いています。


 



 

ジョージと秘密のメリッサ

アレックス・ジ−ノ 

アレックス・ジ−ノ 
島村浩子 作 訳
偕成社
 本体¥1,400.
対象:高学年以上

 

 

 ジョージは、自分が男の子であることに違和感を覚えていました。男の子であるように振舞うのは、とても苦しいことでした。でも、だからといって、自分が女の子であることを、家族や学校が受け入れてくれるとは思えません。本当の自分と周りが求める自分の間でもがくジョージを、親友である女の子・ケリーだけが、「それならあたしもジョージは女の子だって思うよ。」と、当たり前のように受け入れます。
 トランジェスターであることを隠さず、自分らしく生きる道を選んだジョージの思いの深さと行動力。それによって願いを手元に引き寄せたときの喜び。この物語を読むことで、マイノリティの立場を体験していほしいと思います。




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