“虫たちの世界”の号 2016.5

 お店の玄関の小さな金柑の木に、今年もアゲハが卵を産みに来ました。イモムシ系には一歩引くわたしなのに、“うちの幼虫”ともなれば何故か責任を覚え、食料調達したり(葉が足りなくなります)、飼い手を探したり・・・。育つ様子を観察していると、虫の個性が垣間見えたりもして、わたしも一端の虫博士です。虫好きさんも、苦手な方も、さあ虫の季節ですよ。 <虫さん よろしく! > 。

 

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  あげはの へんしん


 

須田孫七 監修
榎本功 写真
うだがわさちこ イラスト
ひさかたチャイルド
本体 ¥1,200.
初版 2012.3
横23.5cm×縦20.5cm
対象:2歳から

 

 

 

 アゲハチョウが産んだ小さな卵から、毛の生えた小さな何かが出てきたよ。よく知っている、あの立派な姿のアゲハの幼虫と同じとは思えません。そのちいさな虫は、一生懸命に葉っぱを食べて育ち、大きくなるにつれ次々と姿を変えていきます。アリかと見間違うくらいだった小さな幼虫から、何度も脱皮を繰り返して、あの頭部の大きい緑色の幼虫に育ち、蛹になって眠ったあとは、美しい羽のアゲハチョウに!まさにこれは、“うちの金柑の木”に来る“うちのアゲハ”の変身物語です。観察できるアゲハを見つけたら、この絵本と見比べてその変身ぶりを確かめてくださいね。(ブログ:あおむしmmm保育園へ行く

 

 

これはなんの ようちゅうかな?

 

岡島秀治 他・監修
学研プラス
本体 \1,500.
初版 2015.4
横22cm×縦26.5cm
対象:子どもから大人まで

 

 

 

 身近にいる蝶や蛾や甲虫などの幼虫が、成虫になったらどんな姿になるのか、そのことにポイントを絞って解説している、虫の観察に大変便利な1冊です。そもそも「・・・などの幼虫」とあるのは種類による分類でなく、身近にいて子どもたちが目にしやすいイモムシをひと絡げに扱っているからです。こうして写真で並んでいるのを見ると、それぞれがどうして?と思うくらい個性的な扮装(?)ですが、その割に茂みや木の枝にいる時はなかなか見つけることができません。そのヘンテコな姿が住んでいる木の葉や木の枝に似ているので、自然の中では目立たないのですね。だから、それを見つけた時の子どもたちの興奮ぶりもわかります。“虫見つけたよ!これ何の幼虫?”小さい人たちに問われた時、うろたえない大人でいるために、お手許に置いてください

 

 

アリからみると

 


桑原隆一 

栗林慧 写真
福音館
本体 \900.
初版 204.6(かがくのとも/2001.7)

横23cm×縦25.5cm
対象:4歳から

 

 

 

 この前にご紹介した図鑑の、イモムシたちの顔アップの後では、このショウリョウバッタはとても人間臭く見えますね。(^^) でもこの絵本の主人公はバッタではなくアリです。全長数ミリのアリから見ると、ショウリョウバッタも怖いくらいに巨大ってことなんです。アリの目になったカメラマンが、鎧を付けている様なバッタ肩の辺りや、トゲトゲでいっぱいのカマキリの脚をアップで見せてくれます。読んでいると、小人になってアリと一緒に草むらを歩いているような気がしてきますよ。いつもいつも人間の立場から見ないほうが、自然界は面白いと思います。


 

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