“おもしろ読物大特集 ”12 2012.7

 夏休み。感想文を書く人も書かない人も、たっぷり読書してください。何冊か読んでいくうち、「この本に出会えてよかった!」と思える1冊に巡り会えるかもしれませんよ。「かもしれない・・・」じゃ困る、ですって?でも、読書ってそういうものだと思います。「 はい、これを読めばあなたの為になります」 と与えられるより、自分でいろいろ読んで巡り合う方が ずっといい。
 でも、それじゃあんまり心細い、せめて地図なりとも、と思ったら、たくさん読んでいる人に助言をもらいましょう。そういうお手伝いならピコットも、喜んで!下記はこの1年で心に残った作品ですが、他にもお奨めしたいものがたくさんあります。「ぴったり」に出会っていただけますように。


‘98年の“感想文”お助け特集  ←・・・感想文の書き方のコツは、ここです。

 

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おにもつはいけん

吉田道子  梶山俊夫 
福音館 ¥1,260. (税込)
横19.5cm×縦24cm
対象:小学校低学年

 

 

 電車に乗っていると、車掌さんが「切符を拝見いたしま〜す」とやって来ますね。でも、おにいちゃんとこむぎが乗った電車の車掌さんは、「おにもつ はいけん」なんて言うんです。どうやら、こむぎたちが運んでいる金魚の赤ちゃんを狙っているらしい。この車掌さん、誰?そして、ふたりは無事に、従姉妹の家に金魚の赤ちゃんを届けられるか!




給食室の日曜日

村上 しいこ 田中六大 
講談社 ¥1,260. (税込)
横115.5cm×縦22cm
対象:小学校低学年

 

 

 

 いつもならのんびりしている、日曜日の給食室。でも今日は、給食のおばちゃんが残したメモを巡ってかなり深刻な雰囲気です。こんど新しい調理器具「フードプロセッサー」が入ることは聞いていましたが、メモには、「ほうちょうステ」と書いてあるのです。何でもあっという間に切ってしまうフードプロセッサーが来るので、包丁は捨てられてしまうの?一緒に働いてきた仲間のお玉やフライパンや鍋たちは、このことを本人の包丁に伝えるかどうかで大激論。


 



妖怪一家 九十九(つくも)さん 

富安陽子  山村浩二 
理論社
 ¥1,365. (税込)
横15.5cm×縦20.5cm
対象:小学校中学年から

 

 化野原(あだしのはら)に団地が立つことになった時、元々その辺りに住んでいた妖怪たちは話し合い、代表のヌラリヒョンが役所へ交渉に、というか脅しを掛けに出掛けていきました。しかし紹介された窓口「地域共生課」の担当・中野さんは、先住妖怪の専門家だという。団地が出来ても妖怪たちの暮らしが奪われないよう、素敵なアイデアを次々と提案します。
 やがて団地が出来ると、妖怪たちは人間風生活を楽しみながら、団地の治安に手を貸します。細々とした問題はあれ、この共生は成功したようです。地球は人間だけのものではないことを、思い出させるすてきなお話です。






エ−ミルとクリスマスのごちそう

(少年文庫)

アストリッド・リンドグレ−ン 石井登志子
岩波書店 ¥672. (税込)
横12.5cm×縦17.5cm
対象:小学校中学年から

 

 

 エーミルの悪戯は相変わらずですが、お母さんだけは、「あのまんまのエーミルがすき」と、いつも周りの冷たい視線からかばってくれます。。そのエミールの失敗とお手柄の数々。前作に比べいくら成長したのか、彼の行動の中には機転を効かせて目の前の問題を乗り切る所や、正義感の芽ばえも見て取れます。クリスマスのごちそうを横取りされたという「救貧小屋」のお年寄りをパーティに招くところでは、エーミル最高!と拍手喝さいしたくなります。






そして、ぼくの旅はつづく

サイモン・フレンチ  野の水生  小林万希子 
福音館 ¥1,575.(税込)
横14cm×縦19.5cm
対象:小学校高学年から


 父を事故で亡くして、祖父の農場に暮らしていた少年アリは、ようやく心の癒え始めた母と一緒に旅に出る事になる。いろんな土地、様々な人々。祖父を恋しく思うことも度々のアリだった。やがて音楽が縁で出会った青年と、母子は共に生きる選択をする。6歳から10歳までの少年の旅と心の成長の物語には、ヴァイオリンの音色が常に流れています。じっくりと時間を掛けて読んで欲しい一冊です。






ジェンナ 奇跡を生きる少女

メアリ・E.ピアソン  さんべりつこ
小学館 ¥1,575.(税込)
横13cm×縦18.5cm
対象:小学校高学年から

 

 


 事故にあったという。1年半たって目覚めたジェンナは、自分の身体や感覚に違和感を覚え、閉じ込められている自分の記憶を探り出そうとしてもがきます。病気や怪我で失った体の機能を、様々な方法で補うことの出来るようになった近未来。生き延びることが幸せであるのか、価値あることなのか、ジェンナの不安が胸に迫ります。


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