“虎のおはなし”の号 2011.4

 アジア大陸に昔はたくさんいたという虎。乱獲や生息地の減少で、今は絶滅を心配されるほどになってしまいました。それでもアジア人にとってその存在は今だ大きく、おはなしの中にはたくさんの虎が活躍しています。今回はその中から、タイプの違う3匹(^^)をご紹介します。
☆ 「ウェン王子とトラ」も、中国の作家が書いた印象深い虎のおはなしです。

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とらはらパーティ

シン・トングン・絵 
ユン.へジョン 
岩崎書店
¥1,575.(税込)
初版2011.2.28
横25cm×縦25cm
対象4歳から

 塩売りの男が山道を歩いているうち、日が暮れてしまい、困っていると洞穴が現れた。洞穴はどんどん大きくなって、塩売りを飲み込んでしまった。洞穴と思ったのは大きな虎の口だったのだ。そのうち今度は炭売りが飲み込まれ、次には鍛冶屋も飲み込まれて次々虎の腹の中に転がり込んできた。虎の腹の中の三人はそのうちおなかが空いてきたが、食べ物は無い。すると鍛冶屋が思いついた。「みんなで このとらを たべようよ!」そこで虎の腹の中を繰り抜き塩を振り、火を炊いて・・・。その先は読んでのお楽しみ♪ 朝鮮半島に山ほどの大きな虎が住んでいた頃のお話です。


 

 

トラさん、トラさん、

  木のうえに!

アヌシュカ・ラヴィシャンカール
プラク・ビスワク
   
うちやま まりこ
  
評論社
¥1,365.(税込)
初版2007.6.30
横19cm×縦25cm
対象:4歳から

 トラさんが川を渡ったら、そこでヤギに出会いました。ヤギにめええええ〜と追いかけられてうっかり木に上った所を、村の人たちに見つかって、トラはおめおめ捕まってしまいます。村人たちはトラの処遇について相談。ああだこうだと意見が出て、あげく、そうだ、はなしてやろうよ。それでトラさんは放されて、また川を渡って戻って行きましたとさ・・・という、どこまでものどかなお話。暖かい国に行くほど、トラの脅威も薄まるのでしょうか?読むたびほっとした気分になれる、インドの絵本です。

 




だるまちゃんと

   とらのこちゃん


加古里子文・絵
福音館
¥840.(税込)
初版1984.2.1
横26cm×縦19cm
対象:3歳から

 だるまちゃんは、とらのまち3丁目のとらのこちゃんに会いに行きました。とらのこちゃんちはペンキ屋さんです。だるまちゃんはペンキを塗りをしてみたいけれど、本当のペンキを使ったらお父さんに叱られてしまいます。そこでとらのこちゃんは良いことを思いつきました。黄色い土と赤い土でペンキを作るのです。そのペンキでふたりは体にお揃いのシマシマ模様を描き、竹や松の木にいろんな模様を描き、それから町の歩道や壁にも、素敵な色や模様を塗って描いて塗って描いて!作者の加古さんは、子どもが好きなことをだるまちゃんととらのこちゃんに全部させてくれていますね。そして、加古さんに掛かれば、てんぐも、かみなりも、そしてトラも、みんな子どもの友だちになってしまいます。他のだるまちゃんシリーズもどうぞご覧下さい。


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