“クリスマスの絵本” 特集 1998.12


クリスマス前になると、たくさん並んだクリスマスの絵本で本棚がパっと明るくなります。クリスマスの絵本は、とても奇麗で種類も豊富だから、何をお薦めしたらいいのかと迷ってしまうくらいです。毎年1冊ずつ丁寧に選んで、コレクションに加えて行って下さい。

バックナンバーリストはこちらをご覧下さい。

サンタさんありがとう
ーちいさなクリスマスのものがたりー

 

長尾玲子 作/絵
福音館(本体価格\1000.)
お勧め年齢:幼児から




もうすぐクリスマスです。しんちゃんはサンタさんに手紙を書きました。「ぼくは、いっしょにあそべて おともだちになってくれる かわいい かわいい くまさんが ほしいです。ぼく ずーっと だいじにします。まってます。」サンタさんは、しんちゃんのために自分でくまさんを作り、友達になれるように言葉も教えました。ところが、言葉を覚えてサンタさんとおしゃべりしたり、お手伝いをするうち、くまさんは「ぼく・・・ずーっと、サンタさんと いっしょに いたい。」と思うようになります。やがて、クリスマス・イブはやって来ました。
いつもプレゼントをもらう側の子どもたちは、ツリーの靴下に入れられたくまさんが「サンタさん、どうしてるかなあ」「しんちゃんって、どんな こかなあ」と心細く朝を待つ様子を、どんなふうに受け止めるでしょうか?「くまさん、まってたんだよ!」としんちゃんに迎えられて、くまさんに幸せなクリスマスが訪れます。今年の新刊の“いちおし”です。

サンタクロースとクリスマス旅行

こぎつねキッコ  うんどうかいのまき

ランゲン作、ドロープ絵、栗栖訳
ブロンズ新社(本体価格\1650.)
お勧め年齢:小学生から


ソフィーは学校でいじめっ子にからかわれます。「そうだよな、おまえはサンタクロースを信じているんだろうな。今だにぬいぐるみのウサギを連れてあるいているくらいだから。」「ソフィーは赤ちゃん!」と。生まれた時からずーっと一緒の、ぬいぐるみのウサギのフェリックスは、それを聞いてソフィーのためにサンタクロースの存在を証明しようと、北の国へ旅立つのです。フェリクスから送られてくる何通かの手紙から、やがて、サンタクロースの住まいや、世界各地のクリスマスの祝い方などが、知らされます。そしてとうとうクリスマス・イヴ。プレゼントを配って一晩で世界中をめぐる旅に、フェリックスもサンタさんと一緒に出かけるというのです。トナカイのそりに乗って。
世界中のクリスマスがわかる楽しい絵本。もらって嬉しいお手紙入りの人気シリーズ第4作。

クリスマスのおはなし

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レイ作、奥泉光訳
徳間書店(本体価格\1600.)
お勧め年齢:幼児からおとなまで





いちばんはじめのクリスマスーそれは、うまやのなかでイエスがうまれた日。
聖書のなかに描かれた、クリスマスの不思議な物語が、美しい絵と文で綴られています。このお話は、他に「クリスマスのものがたり」ホフマン作/絵 しょうの こういち訳 福音館(本体価格\1600.)「クリスマスものがたり」ワイルドスミス作/絵 曽野綾子訳(本体価格\2428.)もあります。

“クリスマスって プレゼントがもらえる日、パーティをする日。”だけではちょっと寂しいですね。
本格的な聖書をひもとくのは大変だけど、というあなたにおすすめします。気に入った一冊を選んで、ずーっと大切に見てください。

クリスマスイヴのこと

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ムーア作A・ローベル絵松井るり子訳
セーラー出版本体価格\1456.)



サンタさんってだあれ?と聞かれた時のために、小さい方のいらっしゃるご家庭では今からご用意いただきたい1冊。わたしたちが、“サンタさんは、みんなが眠った夜中に、トナカイのそりで空を飛んでくる。えんとつを通り抜けてプレゼントを配ってくれる太った陽気なおじいさん。”といったイメージをもっているのは、どうやら The night before christmas・・・で始まる、ムーアのこの詩の影響のようです。サンタの起源をさかのぼると、それはなまはげのような恐いお面をかぶったヤギ男だったり、悪い子をこらしめる鞭打ちおじさんだったりした時代もあったようです。この説を採用する(!)ご家庭は別として、ムーアの書いた“妖精の仲間の優しく陽気なサンタさん”を子ども達に知らせるのにローベルの陽気な絵のこの絵本をどうぞ。
こちらも、他に「クリスマスの前の晩」デンスロウ絵 渡辺茂男訳(本体価格\1800.)「(同題)」
チューダー絵 中村妙子訳(本体価格\2428.)がありますのでお選びいただけます。